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韓国の山 水落山に登る

<ソウル水落山、スラクサン>
ソウルの北 北漢山のすぐ東に位置し、市内中心部から簡単に登れる とても便利で楽しい山である。
ソウルの山となると、まず北漢山、道峰山が有名で、多くの人はこれらの山を勧める。
その理由は見た目が、とても派手(ダイナミックな岩稜が露出し、とても難しそうに見える)からである。
今回お勧めする水落山は、見た目が余り派手でないと言う理由で、ソウルでは第三の山として認識されている
しかし頂上往復のコースなら、この水落山が一番であると思っております。
その理由は 難所>平坦>又難所、そのような状態が次から次へと連続して、変化に富み、気がつけば下山していた言うぐらい登山者を飽きさせない山であるからである。
では危険で、命がいくら有っても足りないかと言うと、実際は極めて危険ではなく、安全が十分確保されている危険に見える山?変な表現であるが、正しく感想を述べるとこの様になる。
兎に角大変にポピュラーな山である。
山容)
標高638m 遠くから見ると、白い岩肌が山頂部に見える程度で一見平凡であるが、能ある鷹は爪を隠すの、たとえの様に、外観からは登山道の面白さが解らない所が味噌だ。
途中からの、山頂部への岩場歩きの連続は、最高にスリリングで楽しい。
又下山途中からの渓谷美も、ソウルの山の中では、結構大きく、水量も豊富で渓谷遊山だけでも堪能できるほどお勧めだ。
山麓の渓谷沿いには韓国式川床食堂が軒を連ねているので、下山後の反省会も場所探しに心配は無い。
交通アクセス)
ソウルの中心地より約一時間、スラク山駅で下車、ここより直接登山開始が出来る。
山をぐるっと回って地下鉄マンウォル寺駅から乗車すると、夕方にはソウルの真中まで帰る事ができる。
行程、コース)
地下鉄スラク山駅>40分<森林公園入口>75分<分岐>40分<峠尾根>40分<頂上>20分<スラク山荘分岐>50分<渓谷合流点>30分<ソクリン寺>50分<地下鉄マンウォル寺駅
合計5時間45分 
山行内容)
9月初旬 大阪は34度と大変に暑く、早くソウルについて、涼しい空気を吸いたいと思っていた。
インチョン空港に着くと、期待を裏切らず24度ぐらいで、とても涼しい。
早速605番市内行バスに乗り、その日の宿泊先東大門運動場に到着、知人に会って、まず最初の用事を済ませた。
翌日の登山日は7時起床、日帰り登山故に簡単に登山用意を済ませ、宿の外に出ると 空は青く澄み渡っていた。
韓国の9月は、もう秋の気配が忍びより筋雲が刷毛で、はいたように空に浮かんでいる。
朝の気温は18度と長袖を着ないと、とても居ていられないぐらいである。
天気は快晴 抜群の登山日和である。
気を良くして地下鉄に乗り込むと、登山者と思われる人が大変大勢乗っている。
この路線には 白雲台、道峰山など有名な山が揃っているので、多くて当たり前であるが、列車が殆ど登山者で、ぎゅーぎゅー詰めで、ラッシュアワーのような状態だ。
時間がまだ7時半ぐらいであり、山の特性(余裕で日帰り)からして、今から12時ぐらいまで電車が登山客で、埋め尽くされる筈である。
小一時間走り、スラク山駅で下車する。
地上に出ると、バスで来た人も混じり、登山者が絶え間なく歩いているので、登山路を訪ねる必要が全くない。
後をついていけば良いのだ。
入山口森林公園迄は舗装道路であるが、両側には登山専門店が軒を連ね、路上には屋台が所狭しと登山口へと伸びている。
人気のある山だなーと感じる事が出来るのだが、その屋台 食べ物、飲み物だけではなく登山用品や登山服迄も売っている。
屋台型登山用品店を見るのは、初めての経験である。
私は早速昼食用にキンパプ(韓国風海苔巻き)を3本(一本170円程)とキュウリ3本セット、下山後用にメクチュ(麦酒)を買った。
しばらく歩き、汗ばむ頃に、道は渓流に合流して行きながら、本格的山道に成っていった。
渓流には川床居酒屋が店を構えている。
渓流は次第にちょっとした渓谷風に変化し、水量や谷の深さが迫力を増してくる。
郊外の山としては十分すぎる迫力だと言って良いだろう。
分岐点(安心尾根コースと岩稜ドキドキコース)にさしかかる頃には、もうすでに下山者の波が押し寄せてきている。
これは決してオーバーでなく本当に波の様にみえるのだ。
勿論私はドキドキコースを選択、分岐点からは急勾配になる。
道は渓谷から離れて尾根歩きになっていく。
岩道をホイホイと運びながら、20分ほど上げると、広く切り開いた場所に多くの人が集まって集会をしている様だ。
韓国人は、兎に角、集まるのが大好きだ。
話しを聞いていると、会社ハイキング、学校クラス会など多種多様な若者が山中
ミーティングをしてる様なのである。
でも装備は登山専用でしっかり決めていて、決して適当な普段着では集まっていない。
私の目はアメリカ漫画の如く、ジャーンとレジ状態に成ってしまった。
韓国アウトドア業界が羨ましく感じた。
もう一頑張りすると、峠に到着、ここは最初の展望地点でドボン区の街並みを見下ろすポイントになる。
風が良く通るナイスポイントで休憩するには最適である。
なんとアイスクリーム売りが下から、アイスクリームとドライアイス、特性耐熱ドラム缶を運び上げ、ココで行商をして居るではないか!
いくらタフガイでも片道2時間は掛かるはずだ。
そういえば、でかい荷物を持ったアジョシ(おニイさん)が登ったり下ったりしているのを見ていた。
この商売は人気があり、子供から大人まで大変よく売れている。
これだけの労力をかけても、売価は150円 絶対に安い。
サアー一休みの後、峠から頂上までのこの山の核心部へGO!だ
峠からは、核心部(ワイヤー付き岩稜急勾配ドキドキコース)と子供も歩ける安全木階段コース)に別れる。
勿論ドキドキコースだ
勾配は50度ぐらい、ピカピカ岩に2本の太いワイヤーが垂れ下がり、これを掴みながらドンドンと登っていくのだ。
途中で離せば、天国行きは確実。
50m~100m程毎に狭い休憩場が設けられ、休憩場で一息入れ乍ら一本又一本と上がっていくのだ
これが何本もあり、40分ぐらいシゴカレるのだから堪らない。
頂上に着く頃には腕が震えて、息はゼイゼイ、心臓バコバコ状態だ。
やっとこさ頂上に到着すると、これ又人だらけ、人だらけ、頂上へは4方向から登れるので、ソレは賑やかだ
危なそうな岩に登りヤッホーする人、写真取る人、食事する人、などと見ていても、とても楽しい。
頂上からの展望は360度遮る物全く無し、素晴らしいの一語だ。
道峰山、北漢山、ソウルの街並み、私は時間を忘れ、一時間は韓国人たちと一緒に、山頂を楽しませてもらった。
下山コースは北へ道を取り、スラク山荘横を通り西へ、ソクリン寺への渓谷へ抜けるコースを取った。
山荘周辺の平たい林の中は、昼食兼の山上大反省会集団で一杯だ。
いくら安全コースが有るとは言え、その飲みっぷり、食べっぷりはやはり我が国では考えられない光景である。
日本でこれをやると、大ヒンシュクだろうが、この国ではごく当たり前。
私はこの韓国登山スタイルの大らかさが、本当に好きで、性分に合っている。
この雰囲気に浸りたくて、韓国に行くと言っても、過言でないぐらいである。
安全コースは多少鎖場はあるが、危険箇所は階段が設けられていて、問題なく下山していく、50分程で渓谷と合流し、道は歩きやすく成り、緊張が取れて来る。
渓谷は、なかなかに深くて、真っ白い花崗岩が連続し、とてもソウル市に有るとは思えない程、美しいのである。
登山者は靴を脱いだり、渓流に足を浸したり、岩の上で日光浴したりして、ノンビリとやっている。
歩行速度は早く、休憩が長いのも韓国スタイルと言って良いだろう。
流れが緩やかになるソクリン寺からは、川床居酒屋街が、軒を連ね、どの店も反省会二次会で、大層賑わっている
国道を渡り、田んぼ中を暫く歩くと、地下鉄マンウォ寺駅に着く、
ホームのイスにゆっくりと腰をかけ、今日の一日を振り返った。
振り返ると、後ろに水落山、正面には道峰山の白い巨大岩壁が夕日でオレンジ色に輝き、とても美しい。
帰路、車窓から見る夕焼けの山々はビールの味を更に旨くしてくれた。

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