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韓国の山 内蔵山に登る

<紅葉名所の内蔵山、古刹巡りと全州ビビンバ >
韓国語ではネジャン山と発音し、内蔵山国立公園を代表する山です。
全羅北道ジョンウプ市郊外に有り、朝鮮半島南部に位置しております。
兎に角、紅葉でとても有名な名所です。
韓国人に紅葉と言うと、枕詞の様にネジャン山を連想します。
それ故10月~11月にかけては、紅葉狩り一般観光客、ハイカー、登山者が韓国中から訪れる(押し寄せる)ので、私の知人ネジャン山観光案内所で勤めている片平女史は、秋にはネジャン山へ来ない方が良いと忠告するぐらい激しい賑わいのようです。
でも紅葉写真を見ると、白く光る花崗岩絶壁の山麓が、紅葉で一面に覆われた上に、ふすま絵の様に横方向に広がっていて、韓国随一の紅葉名所と言って良いと思います。
山容は)
馬蹄形のような形をした山で、中に古刹内蔵寺を抱え、寺を包み込むように、ぐるり一面を峰峰が、まるで鶴が羽を広げた鶴翼の様に取り囲んでいます。
全部で八つの峰で構成されていて、一番高い所がネジャン山、標高は763mと大した高さはありません。
しかし内蔵寺から見上げる白亜の大屏風岸壁や、上から見下ろすに峰峰に包み込まれた内蔵寺の塔頭、この風景は天下無比、これぞ国立公園の由縁たる物を感じざるを得ません。
全ての峰を回峰するには、峰から峰へのアップダウンは大きく、谷に架かった鉄梯子、鎖を頼りに何度も上がり下がりするので、簡単では無い山行になります。
健脚者でも当然丸一日かかる事は言うまでもありません。
内蔵山回峰は登山と言うよりは、宗教色の濃い日本で言う行に近いと思います。
交通アクセス)
高速バス利用:インチョン空港より全州市迄直行バス>ジョンウプ市行きへ乗り換え>内蔵山へ
鉄道利用:ソウル龍山駅より新幹線KTXでジョンウプ市迄
ジョンウプ市から内蔵山迄は頻繁にバスがあります。
行程、コース)
イルチュ門登山口>80分<ソレ峰624m>75分<仏出峰>50分<マンヘ峰>60分<カチ峰>60分<内蔵山シンソン峰763m>30分<ヨンジ峰>100分<チャングン峰経由ユグンチ>40分<トンクリ登山口終点 
★本来は一周でこれだけかかるのですが、私はノンビリ歩きたかったので、二日に分けて登らせてもらいました。
行程まとめ)
その日全州市外バスターミナルにバスを乗り継いで、ようやくたどり着いたのが昼前に成ってました。
ここでは内蔵山に行く前に、是非とも有名な全州伝統家屋街を訪ねようと、前々から思っていたので、悩まず市内ミニツアーに出かけました。
全州市は李朝朝鮮建国者、イ、ソンゲの出身地です。
屋根軒先が上に反り上がっている朝鮮式の建物が軒を連ね、路地が石畳で、でこぼこ、あちこちにうねりながら伸びていきます。
家屋はオンドル部屋になっており、オンドル暖房用の煙突が着いています。
李朝朝鮮時代にタイムスリップした錯覚を覚えるぐらいです
20年前に江原道安東市にある有名なハフェマウル(伝統家屋世界遺産)に行きましたが、同じぐらいにインパクトのある光景でした。
この日内蔵山に入らないなら、一泊ぐらい伝統家屋で泊まってみたいと後ろ髪がひかれる思いでした。
内蔵山は一大観光地らしく、想像していたよりは遙かに開けていて、民宿、モーテル、食堂、土産物屋が沢山あり、私が訪れたのは、9月オフシーズンでもあったので宿探しも、簡単でありました。
到着早々全州に来たので、いの一番に全州ビビンバ専門店に飛び込みました。
これは日本では石焼きビビンバなどと言い、熱い石鍋でビビンバを焼いている物です。
本場の味は?正しく濃厚、ごま油がたっぷり効いていて、とても辛い、それと野菜が多いのが特徴です。
石ウスは平たく大きめで、お焦げが多めになっています。
一言 うま~~い!!
CASSビールと相まって、幸せな夕食を楽しみました。
次の日山歩きの為内蔵寺観光センターからシャトルバスに15分程乗って、 内臓寺迄まず参ります。
寺は山麓に有り、自然が豊かなとても素敵な所です。
実はその朝 観光案内所に情報を仕入れに行くと、そこに仙台市からジョンウプに嫁いできている片平女史という方が働いておられ、話が弾み過ぎて午前中をつぶしてしまいました。
なにせこの片平さん韓国語をマスターする為にソウルで住み、結婚した相手がたまたまジョンウプの市民であったのです。
日本人が来るから観光案内所で働いているわけでは無く、殆ど日本人は来ない様で、他人と日本語を喋るのは、2年ぶりとの事でした。
従ってそれはそれは話が盛り上がりました。
所で肝心の山 この日はまず門前にある観光ケーブルカーで中腹駅迄登り、終点駅より最高峰シンソン峰に行く事にしました。
終点駅には観光客用内臓山展望台があり、内臓山の白亜の岸壁群が一望できます。
山道は綺麗に整備され、ヨンジャ峰迄急角度に上がっていきます。
この峰からの展望は更に良くなり、馬蹄形の七峰が一望できるようになります。
更に登るとシンソン峰最高峰になります。
紅葉の時はモミジの赤と白い岸壁のコントラストが一枚の屏風絵に成るのでしょう。
確かに素晴らしい風景で有るのは想像するに難くありません
こちらの登山道は人気が有るようで、木道階段など整備し過ぎなぐらいに成っていまして、極めて安全になっています。
子供を連れた多くの家族ハイカー達がスニーカーで登って来ています。
頂上は狭く、10人ぐらいでいっぱいに成ります。
もうそれは賑やかで、アイグー、キブニチョアー(ああ~気分良いな~)などと大声であれだこれだと大盛り上がりです。私は居場所が無くなり、早々に切り上げ、尾根道をカチ峰迄歩き、そこより下りました。
この山の便利な所は、いつでもあらゆる峰から下る事が出来ます。
エスケープルートだらけ、余り予定を考えないで適当に歩けるのです。
この日は名刹内蔵寺へも参拝しました。
新羅時代創建、とても有名なお寺だそうです。
お寺の甍と紅葉した岸壁群は、つとに有名で、インチョン空港ロビーや通路などに、韓国を代表する景色として紹介されています。
帰りは山門からホテル群があるセンター迄シャトルバス専用道を歩きました。
川沿いの気持ちが良い道、街路樹は全てモミジ、秋には道も全てモミジで真っ赤に成ります。
その晩も全州ビビンバを又食べました。
翌日は、早起きをして、半時計回りをしました。
昨日と反対回りです。
こちらの方は圧倒的に、人が少なく登山者向きのコースになっています。
イルチュ門から急登すると、ソレ峰に飛び出ます。
こちらの方からは、馬蹄形の外側の景色が展望できまして、登山道も鉄梯子や深めの谷、激しいアップダウンなど一般ハイカーにはお勧めしにくい難所が連続します。
仏出峰下には高麗時代に彫られた仏出洞窟石仏群が有りますが、朝鮮戦争時、北朝鮮軍が侵攻し、顔をそぎ落としています。
何処の国へ行っても、内乱があったりすると、この手の文化財が傷つけられるのですね。
とても痛々しい仏さんのお姿でした。
更に細い尾根をたどると新たな峰に出ます。
ここからのお勧めは馬蹄形峰群の一番奥から、鶴の羽を広げた様な鶴翼陣風岩峰を一望できる上、その中心部に鎮座する内蔵寺を展望できるという所です。
箱庭的風景ですが、その凝縮された風景がとても魅力的であると思います。
エスケープルートを取り、渓流沿いに歩くと又又内蔵寺にでます。
この山は何処から降りてもお寺に出るように成っているのです。
お寺に無事山行終了のお礼を告げ、その夜はジョンウプ駅前に宿を取り、最後の全州ビビンバを食べました。
周りは畑だらけの田舎ですが、内蔵山故に新幹線KTXが泊まる駅になっています。
今夜が今回韓国山旅の最後の夜、駅前のベンチで韓国焼酎を呑み、ハングル文字ネオンを見ていると、色々な事があったな~、明日は帰国せんとあかんのか”など、寂しい感情がこみ上げてきました。

アドバイス)内蔵山観光センター付近の宿は観光地お忍び旅用のモーテル群などで清貧成る我々登山者向きでは有りません。
宿泊はジョンウプ駅前のモーテル(一般者もまだ使える)がお勧めです。
食べ物屋も一般者向けで安い。
ジョンウプなどの地方都市はビジネスホテルが全くなくモーテルしかないのです。
これは全ての機能が、ソウルと釜山に集中している理由と思われます。

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