登山靴の選び方
”シューフィッターのいる店で買いましょう”靴を選ぶとき”どんな山へ行くか””テント泊、小屋泊、日帰り”など登山スタイルがチェックポイントになります。こんな所で使う靴はどれがいいでしょう!
山辺道系−フラットな整備された道を歩く歴史ハイキング
短い靴(ウォーキングシューズ)
(注意)一般的に軽くて、底が柔らかい靴の方が、歩くのが楽と思われていますが、長い距離、土道にはこのタイプの靴は疲れます。
スニーカーは靴底が薄く 地面の石、起伏などの色々な感覚、ショックを拾い 長距離歩行では、返って疲れます。
スニーカーで長く歩くと、指裏部が疲れて痛くなるのはこの為です。
フィットネス、ランニング向きです。
歩きには、靴底がソフトで厚みがあり、地面感覚を拾いにくい歩き専門靴を選びましょう。
これも舗装道専門と地道用があり アッパーや 靴底に堅さ、たわみの違いがあり、形状も異なります。地道専用なら足首を幾分保護できるミッドカットもオススメです。
無雪期の低山 山歩き
軽登山靴(コーデュラナイロン+革)
- 完全防水。ゴアテックス搭載ブーツを選んで下さい。
- 足首部が短くて柔らかい物。
無雪期の山歩き
軽登山靴(コーデュラナイロン+革)
- 足首がしっかりした物。
- 底がしっかりした物。
登山靴(全革靴タイプ)
- 足首がしっかりした物。
- 底が更に、しっかりした物。
無雪期の日本アルプスなど
本格登山靴(本格全革靴タイプ)
- 足首部がしっかりしてホールド力がある物。
- 底がしっかりした物。
降雪期の近郊登山
本格登山靴(コーデュラナイロン+革)
- 足首部がしっかりしてホールド力がある物。
- 底がしっかりした物。
降雪期の本格登山
ハードな本格登山靴(本格全革靴タイプ)
- 8本、10本、12本爪クランポンに対応できる物。
- 底がしっかりした物。
ドイツ靴(ゲルマン)とイタリア靴(ラテン)の違い
基本的には日本人ラスト(足型)を使用しても、お国柄によって靴型の違いがあります。
ドイツ系
|
イタリア系
|
|
カカト
|
広くてヒールカップがストレート。カカトのホールドが少し甘い |
狭目でヒールカップが丸目。カカトのフィット感が良い。 |
巾(幅)
|
狭目
|
普通
|
土踏まず
|
甘め
|
フィット感あり
|
革
|
ソフトで足あたりが凄く良い、耐久性はイタリア革に比べて劣る | 少しかため、耐久力がある |
喉部余裕
|
少なめ
|
余裕がある
|
ブランド
|
マインドル、LOWA、ハンワーグ
★最近は、日本人向けワイド足型も有り,OKだ! |
スカルパ、カルツ、スポルティバ ローメル、アゾロ、 テクニカ、ケイランド ★但しK社、などは白人足型そのままなので、新幹線列車の顔のように細長い! |
靴選びのチェックポイント
まず平面的形をチェックしましょう。 基本中の基本です!
自分の足と靴を横に並べ、上から両方を眺めて、平面的に観察します。四角い、細長いなど自分の足型と似ている靴を第一段階で選びます。異なる型の靴を選んではトラブルの元です。
![]() |
![]() |
OKです。
|
駄目です。
|
ベロの形状
ベロの形状もチェックして下さい。ベロが外側片方流れになり、甲の中心部にベロが来ない物は不向きです。
靴の巾
巾広だけが全てではありません!広すぎて山行中に足が内外にズレて”足裏沓ズレ””疲労につながる”靴があります。
やはりフィット感を重視してください。靴中で足裏が左右に横ズレし、母趾裏部の沓ズレになる事があるので注意しましょう。
E について
親指高さ
親指部の高さ余裕は大変に大事です。余裕がないと巻き爪、爪が上を向いている方は間違いなくトラブルになります。
足囲い部、喉部の高さ、余裕
靴を平面的にとらえているショップ、登山者が多いのが残念ですが、靴や足を上から眺めて幅が広い等と勝手に判断して靴選びをしている様です。
足は立体です。
指関節部などの足囲いのボリュームを充分に考量して靴選びをしましょう。
この部分が窮屈な靴、でかすぎる靴はトラブルにつながります。
又原産地国によっても異なります。まさしくシューフィッターのいる専門店の世界です。勉強をしっかりしている店で相談ましょう
靴底のたわみ、捻れ強度
たわむ位置、堅さに寄って 歩き方がに変わってきます。
たわみ能力で大きく山行きの目的が変わって来るのです。
理由を説明するのは 長くなりますが、一般的には、柔らかい方が ハイキング低山向きです。
- 指関節に良く曲がる靴は「ハイキング」向き
- 指関節で少し曲がる靴は「軽登山」向き
- しっかり堅い靴は「本格登山」向き
- 滅茶苦茶堅い靴は「本格アイゼン装着タイプ」です
踵から指関節までの割合
これは民族性が大きく影響します。
靴の前後長さにおける 指長さの比率の問題になりますが、指長さ比率が多い靴は、日本人にとって 俗に言う足囲い部の巾がきつく、又甲も高さも窮屈、指高さも圧迫があり、永く歩くと拇指裏の痛み原因につながります。
我々には良い靴ではありません。
無理に合わせると、踵ブカブカで靴擦れの原因になります。
土踏まず部 フィット感
究極に大事なポイントです。
コレがよいと、下りでの足裏突っ込みが少なく、指先を痛める事が減ります。
又体重加重分散が広がり、拇指裏の痛みが緩和されます。
フィット感が甘い靴は、下りで指先が痛い靴に成りやすいです
トップライン部の痛み
なかなか微妙な問題で、ハイカット靴を履き慣れていない人は、最初痛みを感じます。 コレに関しては やはり 慣れ!ですね。 又 アジア製の靴で トップラインがタラコ唇のように分厚い変な靴は、ヒモを締めることによって、トップラインが内側に食い込み、足首骨が痛くなります。 この手の靴は 直しようが無いので、絶対に買わないことです。(中国製に主に見かけられます。靴内部タッグに原産地が表示されてますので、チェックして下さい)中国製の登山靴
中国製が悪いと言うことではないのですが、生産コストを下げる為だけで中国生産している物がたまにあります。 品質やラスト(足型)に関してヨーロッパ産に劣る物が多く、靴中で足が踊り、フィット感が無い ぶかぶかな靴が多いようです。 又ヘタリも早く 直ぐガサガサになります。 考え方としては、タウンユースかキャンプブーツとして履けば、御機嫌です
私見、ブランドへのイメージです。
革について
ドイツ系ブランド LOWA、マインドル、ライケル 等は軽くソフトに仕上げ、最初の足あたりは快適です只 革のヘタリはイタリア革に比較すると早いと思います。 その代わり最初の足当たりから楽です。耐久性に注視するならイタリア革がオススメです。
靴型について
ドイツ系は 踵が広いので、一般的日本女性は踵フィットが甘くになると思われます。 指高さ足囲い部が細身なので、巾狭甲薄の人向きと思います。 外反母趾傾向にある人は 拇指骨が大きくなっているのでドイツ系ブランドは向きません。 又 幅広で有名なシリオですが、平面的に幅広ですが、のど元(指間接部)が大変薄く、又甲が大変低い靴です。甲高、外反母趾気味で骨がゴツク成っている人は、苦しくて向きません。御注意下さい。 スカルパ、トレゼッタがオススメです。 ドイツ系は踵ホールドが少し甘いのが好き、足巾が細目、甲が薄い人向きです。