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高級登山靴選びへのアドバイス

革靴をオススメします。
革製登山靴への 誤解を解きます
☆ 重い?→ 昔と比べて そんなに重いと言うことはありません 50g重いぐらいです
☆ お手入れが面倒か? → ナイロン靴と変わりなく ブラッシング後 革専用スプレーをかければOk
良い点
☆ 革を手入れしておいたら防水性 
→ ① 断然ナイロン靴より防水性が有る。 
  ② アッパー素材の耐久性が有り ホールド感やフィット性が 断然長持ちする 
  ③ 断然暖かい 
  ④ 雪のシーズンなどでは 撥水性が良いので 靴が湿りにくい
 
 


○ 通常縦走系登山靴と 岩稜帯縦走登山靴は 歩き方、足裁きが異なります!

最近 高級品で 色の派手なトースプリングが浅く(靴底が平たい)、靴底タワミが少ない靴を近郊の山でも見かけますが、このタイプの靴は本来は、岩稜帯登山が専門の靴です。
難所向きだから 高級品だからと言って 全ての山に向いているとは限りません。
一般の方にとっては 返って通常登山では 使いずらいと言えるでしょう。
特に近郊登山の場合には 堅くて歩き辛い上に 足裏 足腰が痛くなり悲鳴を上げてしまいます。
明らかに この辺を誤解しているショップやユーザーが多いと感じています。
但し 岩稜線などでの ホールドは抜群です。
是非 自分の登山スタイルをしっかりと認識して 靴を撰んでください。

では その識別方法は?
 
☆ 靴底形状で靴の素性を読み取る ☆
靴選びでとても重要な事をお伝えします。
つま先の反り上がりを 専門用語でトースプリングと言います。
このトースプリングの深さが 靴の特性を使用目的を決定的に決めます

→これが深い靴は、トレッキング、通常縦走登山向きです。
これに加えて 指関節タワミが軟らかいと 軽登山やハイキング向きになります。
※歩き方を 解説すると トースプリングが深い靴は 靴底が堅くても 足が前に前に コロンコロンと自然に抜けて歩行が連続していきます。
俗に言う煽り歩きが可能です
maenuke2.JPG同じ底が堅い靴でも トースプリングがタップリと深いので
maenuke3.JPG 更に踵が自然に上がってきて  次の足が後ろから 自然と前方についてきます
→ 結果的に 体が前に前に 自然に運ばれていき、スムースな歩行が可能になります。


maenuke1.JPG
これが浅い岩稜系靴では 
 ここからは自然には踵が上がりませんので 一歩がここで完結します 次の足は自分で後ろから引き上げて来て 前に出します

☆トースプリングが浅い靴は 一歩一歩足を置いては引き上げ、置いては引き上げ の足を運ぶ歩き方になります。
岩から岩へ足を運ぶ岩稜帯ではこれは楽になります。
但し一般登山道で歩くと 一歩一歩がパタパタと完結するので、楽に歩けるとは言い難いです
特徴としては つま先部がパタパタと音がします。
かなり極端に説明すれば スキー靴で普通の道を歩く感じですね。
明らかに歩きにずらいですね。
又 一見接地面積が広いのでホールドが良いように思いますが、後ろ足を前に抜くときに つま先が引っかかるので 必要以上に太ももを引き上げて 足を前に引き抜き 運ばないといけなくなります。
下り道などでは コレを強く感じられます。
イコール筋力を消耗します。
 スタイリッシュなので 選ぶ方が増えていますが 一般縦走登山向いているかというと そうではありません。
 自分の登山指向(どんな山に主に行くのか?)、自分の脚力、筋力、体力でこの靴を長時間履きこなせるのか? を考慮して選んで下さい。
ガイドが履いているから 必ず自分にも良いと言う事はありません。
例をたとえるなら レーシングカーを一般人が運転するような物です。
無理して通常登山に使用すると、かなり疲れますので ショップ、ガイドに勧められても しっかりと自己判断をして撰んでください。

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実際 この手のハードな岩稜帯系靴の 持ち込み悩み相談が 後を絶ちません。
本当に多いです。

お客さん曰く : 店やガイド、登山説明会に 勧められて買ったんだけど、 足裏 親指 小指が痛い、 ふくらはぎがパンパンに張って悲鳴が上がる、 膝が痛い!腰が痛い! 何とかしてくれ~~ 。。。
 特に登山説明会、登山ツアー等に参加の 最近の登山経験が少ない方に この傾向が多く見られます。
正直言いまして 本当に可愛そうなぐらいです。

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☆ 良くある間違い選びの例>
ユーザー: 夏に一二回程、アルプス登山行きます。普段は近郊の山です。どんな靴が良いですか?
勧め人; では アルプス用の岩稜タイプの靴が 値段は張るが、何でも使えてオススメだ。

私の考え: これは間違いです。
私ならこう問います。
一般的には: 年一二回のアルプス登山のために 普段の山歩きを我慢するか? それとも 普段の山歩きに重点を置くか? どうされますか?ーーーーー

アルプス登山のみ目的には: 頂上岩稜帯部分のホールドに重きを置き、そこまでのアプローチの歩きづらさを我慢するか?   もしくわ 全体的な性能を重視するか? どうされますか? 


以上 ヨシミのおっさんのウンチクでした。

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では 岩稜系登山靴の見分け方について説明します。

踵コバがついています
これは冬に12本爪アイゼンをかける場合に使います


靴の爪先が内側にターンインしています.。最近はこのタイプの靴も減ってきました。通常タイプに戻ってきてます。


クライミングゾーンという文字が 刻印されている物もあります。 

ついでに 靴のお手入れ方法を説明しておきます。

☆ 靴を下ろす前に たっぷりと靴専用スプレイをかける 

とても大事な事ですが 新品を下ろす前に 缶一本を使い切るぐらいの勢いで 靴に防水スプレイをかけて下さい。
意味合いは 靴のコーティングです
間違い無しに 汚れがつきにくくなり 後々の手入れに断然と差が出ます。

☆ ブラッシングをシッカリ行う 
帰宅したら まず靴を陰干し乾燥させ → ブラッシングをタップリしてやってください
ホコリを十分に取り去ることが とても大事です
その後に 靴スプレーを タップリ吹き付けてください。


☆ 帰宅したら 中敷きを乾かそう 
中敷きを靴から抜いて乾燥させるだけで 靴の嫌な臭いが激減します。
靴内部も乾燥し インナー底素材の劣化防止にも効果があります

☆ 靴換え紐は必ず持って行く 
何があるか解らないので 必携
小袋に 換え紐、ヘッドランプ、レスキューシート、バンデージテープ、コンパス、笛等を まとめて入れ 必ず持参するようにすると良い。


☆ 保管の注意点
靴箱、袋入れ状態の保管は厳禁!!
通気性の良い 日陰で 並べてむき出しで置いてください
蒸らしたり 熱がこもるような保管方法は 底ゴム素材の劣化が急激に進みます
トランクルームなども 良くないですね
2年で靴底はがれる事もままあるので 絶対注意です


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別売中敷きについて

最近よく見かけるのが 靴を買うときに 当然の如く別売中敷きを勧める店があります。
しかしながら 元々入っている中敷きは 廃棄するような雑な物では無く メーカーがその靴用にシッカリ考えてセットした物で 靴に合った物です。
まずは 元々の中敷きで靴を履き 靴が慣れてきた上で なおかつ不都合を感じてから 新たに別売中敷きに交換するべきと思います。

中敷きを勧める店の全く見落としている物は 靴の構造があります

それはヒールカップの高さです。
これは 靴に置いて心臓部当たるような大事な部分で 踵の骨部をどうフィットさすか 
踵をどう守るかが 靴の重要部分です
全体重を支えている踵骨の保持は靴の生命線です。
元々の中敷きに比べて 別売物は 総じて厚みが倍近くあり それに交換する事により 踵位置が上がり ヒールカップから踵が上に ずれてしまいます。
すると踵のホールド力が落ち 踵がカパカパします。

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☆ 踵の巾も 横に広がります

nakajiki20150623aaa.jpg
元のままの中敷き状態

nakajiki20150623bbb.jpg
☆一目瞭然
別売中敷きを入れると 踵巾、大事なトップラインが横に広がってしまいます。 結果くるぶし周り、踵ホールドがガバガバになります。

ローカットの靴は 特にホールドが浅く ヒールカップのフィットが重要なります。
ローカット靴に別売中敷きに 入れ替えるのは 上記のような状態になりがちで 私は全くオススメしません
そもそも 靴には それぞれ深さのヒールカップがありまして 品番に応じてヒールカップの深さが変わっています
中敷きもその靴用にセットされています。
それを無視して 何でもかんでも 別売中敷きに変えるのは 得策ではありません。
コレを 強く勧める店は 何おか言わんや! です
 皆さん! よ~く判断して下さい


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