登山靴の選び方


ドイツ靴(ゲルマン)とイタリア靴(ラテン)の違い
基本的には日本人ラスト(足型)を使用しても、お国柄によって靴型の違いがあります。
ドイツ系
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イタリア系
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カカト
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広くてヒールカップがストレート。カカトのホールドが少し甘い |
狭目でヒールカップが丸目。カカトのフィット感が良い。 |
巾(幅)
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狭目
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普通
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土踏まず
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甘め
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フィット感あり
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革
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ソフトで足あたりが凄く良い、耐久性はイタリア革に比べて劣る | 少しかため、耐久力がある |
喉部余裕
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少なめ
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余裕がある
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ブランド
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マインドル、LOWA、ハンワーグ
★最近は、日本人向けワイド足型も有りますが 基本は上記の形をしています。 |
スカルパ、カルツ、 ローメル、トレゼッタ、フィットウェル、 ★上記外のS社、などは白人足型そのままなので、新幹線列車の顔のように細長い! |
靴選びのチェックポイント
まず立体的な形をチェックしましょう。 基本中の基本です!
自分の足と靴を横に並べ、上から両方を眺めて、立体的に観察します。四角い、細長い 甲高、足囲いなど自分の足型と似ている靴を第一段階で選びます。異なる型の靴を選んではトラブルの元です。
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OKです。
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駄目です。
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ベロの形状
ベロの形状もチェックして下さい。ベロが外側片方流れになり、甲の中心部にベロが来ない物は不向きです。
靴の巾
巾広だけが全てではありません!広すぎて山行中に足が内外にズレて”足裏沓ズレ””疲労につながる”靴があります。
やはりフィット感を重視してください。靴中で足裏が左右に横ズレし、母趾裏部の沓ズレになる事があるので注意しましょう。
E について
親指高さ
親指部の高さ余裕は大変に大事です。余裕がないと巻き爪、爪が上を向いている方は間違いなくトラブルになります。
足囲い部、喉部の高さ、余裕
靴を平面的にとらえているショップ、登山者が多いのが残念ですが、靴や足を上から眺めて幅が広い等と勝手に判断して靴選びをしている様です。
足は立体です。
指関節部などの足囲いのボリュームを充分に考量して靴選びをしましょう。
この部分が窮屈な靴、でかすぎる靴はトラブルにつながります。
又原産地国によっても異なります。まさしくシューフィッターのいる専門店の世界です。勉強をしっかりしている店で相談ましょう
靴底のたわみ、捻れ強度
たわむ位置、堅さに寄って 歩き方がに変わってきます。
たわみ能力で大きく山行きの目的が変わって来るのです。
理由を説明するのは 長くなりますが、一般的には、柔らかい方が ハイキング低山向きです。
- 指関節に良く曲がる靴は「ハイキング」向き
- 指関節で少し曲がる靴は「軽登山」向き
- しっかり堅い靴は「本格登山」向き
- 滅茶苦茶堅い靴は「本格アイゼン装着タイプ」です
踵から指関節までの割合
これは民族性が大きく影響します。
靴の前後長さにおける 指長さの比率の問題になりますが、指長さ比率が多い靴は、日本人にとって 俗に言う足囲い部の巾がきつく、又甲も高さも窮屈、指高さも圧迫があり、永く歩くと拇指裏の痛み原因につながります。
我々には良い靴ではありません。
無理に合わせると、踵ブカブカで靴擦れの原因になります。
土踏まず部 フィット感
究極に大事なポイントです。
コレがよいと、下りでの足裏突っ込みが少なく、指先を痛める事が減ります。
又体重加重分散が広がり、拇指裏の痛みが緩和されます。
フィット感が甘い靴は、下りで指先が痛い靴に成りやすいです
トップライン部の痛み
なかなか微妙な問題で、ハイカット靴を履き慣れていない人は、最初痛みを感じます。 コレに関しては やはり 慣れ!ですね。 又 アジア製の靴で トップラインがタラコ唇のように分厚い変な靴は、ヒモを締めることによって、トップラインが内側に食い込み、足首骨が痛くなります。 この手の靴は 直しようが無いので、絶対に買わないことです。(中国製に主に見かけられます。靴内部タッグに原産地が表示されてますので、チェックして下さい)
☆トースプリング形状について
つま先の反り上がりを 専門用語でトースプリングと言います。
このトースプリングの深さが 靴の特性を使用目的を決定的に決めます。
→深い靴は、トレッキング、通常縦走登山向きです。
これに加えて 指関節タワミが軟らかいと ロングトレイル向きになります。
最近 色の派手なトースプリングが浅く、靴底タワミが少ない靴が流行していますが、このタイプの靴は本来は、岩稜登山が専門の靴です
間違って通常登山に使用すると、かなり疲れます
※歩き方を 解説すると トースプリングが深い靴は 靴底が堅くても 足が前に前に コロンコロンと抜けていきます。
俗に言う煽り歩きが可能です
一方でトースプリングが浅い靴は 一歩一歩足を置いては引き上げ、置いては引き上げ の足を運ぶ歩き方になります。
歩くとパタパタッと音がします。
スキー靴で歩くことを イメージすればよいと思います。
色が派手で スタイリッシュなので 選ぶ方が増えていますが 決して通常縦走登山向きではないので十分に理解して選んで下さい。
岩稜系登山靴の見分け方
踵コバがついています
これは冬に12本爪アイゼンをかける場合に使います
靴の爪先が内側にターンインしています
クライミングゾーンという文字が刻印されています。
中国製の登山靴
中国製が悪いと言うことではないのですが、生産コストを下げる為だけで中国生産している物がたまにあります。 品質やラスト(足型)に関してヨーロッパ産に劣る物が多く、靴中で足が踊り、フィット感が無い ぶかぶかな靴が多いようです。 又ヘタリも早く 直ぐガサガサになります。 考え方としては、タウンユースかキャンプブーツとして履けば、御機嫌です
私見、ブランドへのイメージです。
革について
ドイツ系ブランド LOWA、マインドル、ライケル 等は軽くソフトに仕上げ、最初の足あたりは快適です只 革のヘタリはイタリア革に比較すると早いと思います。 その代わり最初の足当たりから楽です。耐久性に注視するならイタリア革がオススメです。
靴型について
ドイツ系は 踵が広いので、一般的日本女性は踵フィットが甘くになると思われます。 指高さ足囲い部が細身なので、巾狭甲薄の人向きと思います。 外反母趾傾向にある人は 拇指骨が大きくなっているのでドイツ系ブランドは向きません。 又 幅広で有名なシリオですが、平面的に幅広ですが、のど元(指間接部)が大変薄く、又甲が大変低い靴です。甲高、外反母趾気味で骨がゴツク成っている人は、苦しくて向きません。御注意下さい。 ドイツ系は踵ホールドが少し甘いのが好き、足巾が細目、甲が薄い人向きです。