登山靴のお悩み➜原因➜対策

登山靴を履いていると色々な「お悩み」が有ります。代表的な「お悩み」をいくつかご紹介し、その原因、対策をご案内させて頂きます。

お悩み① 爪が内出血で黒くなる

つま先が(爪)が登山靴の前にあたり出血します。主に下山時に多くみられるトラブルです。

原因①登山靴のサイズが小さい・・・登山用のソックスを履いた状態で、踵に指が1本入らない。(無理やり1本では無く、余裕で1本入る感じ)

対策・・・何とかして靴の中のスペースを広くしたいので、ソックスを薄くする。別売のインソールを使用しているなら元の薄いインソールに戻す。それでも駄目ならインソールを抜く。

原因②足首の紐がゆるい・・・紐の締めがゆるく、下山時に登山靴の中で前に動く足を止める事が出来ていない。

対策・・・踵に足を寄せた状態でしっかり紐を締める。登山靴と足首の間に隙間をつくらない。○画像の様にしっかり締める。✕画像の様に隙間があると、すき間の分だけ足が前に動く。結果つま先があたる。

足首を締める理由はこちらの事例⑤を参考にして下さい。➜クリック

お悩み② 踵が靴擦れをする

歩く度に踵が浮き沈みし、摩擦で水膨れや皮がめくれたりします。主に上りの時に多く見られるトラブルです。また踵の骨の形、登山靴の前傾角度によっても靴擦れをする場合もある。

原因①足首の紐がゆるい・・・紐の締めがゆるく、足が前に倒れた時に踵が浮いてくる。

対策・・・足首の紐をしっかりと一番上まで締める。登山靴と足首の間に隙間をつくらない。

原因②ソールの硬い登山靴を履いて、指を曲げて歩いている・・・指関節の曲がらない登山靴の中で、指を曲げようとするので踵が浮いてくる。足に靴が付いてこない!ソールが曲がる登山靴は、靴が付いてくる。

対策・・・登山靴のソールと足の裏が同じ動きをするように歩く。ソールの曲がらない靴➜指関節を無理に曲げずに足裏全面で着地、足を上にあげて下ろすイメージ。ソールが曲がる靴➜指関節を曲げて、指先で蹴って歩ける。

原因③登山靴の前傾角度がきつい&踵のカップが広い・・・足と靴が合っていない。最近はあまり無いが踵の前傾角度がきつい靴は平坦な登山道で踵が引っかかりやすい。カップの広い靴はホールドが無い為、踵が浮きます。

対策・・・ソックスを厚くし隙間を埋めたり、インソールで底上げし、あたる位置をずらす。

お悩み③ 足の裏が痛い

登山靴の相談で、「足の裏が痛い」「指の付け根、母指球が痛い」と言う相談があります。珍しいケースではなく、割と多い相談です。荷物を担ぎ、足場の悪い所を上ったり下ったり・・・と言うのが登山なので、日常生活より足裏を酷使するから!と言うのは今回は無しです。

原因①歩く時、後ろ足の指曲げ角度(画像参照)がきつく、指の付け根で蹴って歩いている・・・これは日常生活の歩き方です。登山で同じ歩き方をすると足裏が痛くなります。

対策・・・「フラットフィッティング」と言われる、指で蹴らずに上にあげ、足裏全体で着地する歩き方を意識し実行する。歩幅を狭くするのがポイントです。

原因②指曲げの出来ない登山靴で日常生活の歩き方をしている・・・ソールが硬い指曲げの出来ない登山靴の中で、必死に指を曲げて歩こうとすると足裏に負荷がかかり痛くなります。

対策・・・より強く「フラットフィッティング」を意識する。

整備されている登山道や軽い荷物、短い距離、なら日常生活の歩き方でも大丈夫の場合もあります。しかしハードな登山、ハードな登山靴になればなるほど、歩き方の意識は大事になってきます。フラットフィッティングは、疲れの軽減、脚力の温存、登山靴のグリップを最大限に使える歩き方になります。