本格登山靴選びのアドバイス
縦走歩きは革靴をオススメします! 革製登山靴への誤解を解きます!
★革靴は重い?→昔の革靴は片足1kg以上有り重かったですが、今の革靴はそんなに重いと言うことはありません!女性用で600g台、男性用で800g台ぐらいです。
★革靴はお手入れが面倒?→手軽にお手入れしたい方は、汚れを落とした後に防水と栄養の入った革専用スプレーをかければOKです!時間をかけてお手入れしたい方は、汚れを落とした後に防水と栄養の入った革専用のクリームを塗り込んで下さい。ツヤが出ます!
★革靴の良い点は?→①断然ナイロン靴より防水性が有る。 ②アッパー素材の耐久性が有りホールド感やフィット性が断然長持ちする。 ③断然ナイロン靴より保温性が有る。雪山、残雪登山でも足が冷たくなりにくい。
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ローバー(LOWA) タホー メンズ・レディース
マインドル(MEINDL) バキュームトップ・ビラベスタ
縦走登山靴と岩稜アルパイン靴の違いを知ろう!
縦走登山靴と岩稜アルパイン靴は、歩き方・靴底の形状が異なります!
最近、色の派手なトゥスプリングが浅く(靴底が平たい)、靴底のタワミが少ない登山靴を近郊の山でよく見かけますが、このタイプの靴は本来は、岩稜帯登山が専門の靴です。
しっかりしていて難所向きだから、値段が高いからと言って全ての山に向いているとは限りません。
一般の方にとっては、近郊の登山や縦走路では使いずらいと言えるでしょう。
特に近郊登山の場合には、硬くて歩き辛い上に足裏・膝・腰が痛くなり悲鳴を上げてしまいます。
明らかにこの辺を誤解し、勧めている雑誌やショップが有ります。
但し、岩稜アルパイン靴の本来の目的、岩稜地帯でのホールド、安定感は抜群です。
是非、自分の登山スタイルをしっかりと認識して靴を撰んでください。
☆靴底形状で靴の素性を読み取る☆
靴選びでとても重要な事をお伝えします。つま先の反り上がりを専門用語でトゥスプリングと言います。このトゥスプリングの深さが、靴の特性や使用目的を決定的に決めます。これが深い靴は近郊の登山や縦走登山に向いています。さらに靴底の指関節のタワミが軟らかいと軽登山やハイキング向きになります。逆に浅い靴は岩稜帯向きになります。難所でつま先を掛けやすくタワミが少なく硬い為、つま先立ちが出来ます。
☆登山靴に合った歩き方を考える☆
トゥスプリングが深い靴は、靴底が堅くても足が前に前に自然に抜けて歩行が連続していきます。俗に言う煽り歩きが可能です。トゥスプリングがタップリと深いので、踵が自然に上がってきて次の足が後ろから自然と前方についてきます。靴底の形状を生かし歩くイメージです。結果的に体が前に前に自然に運ばれていき、スムーズな歩行が可能になります。
これがトゥスプリングが浅い岩稜アルパイン靴では、踵が上がりが少なく、一歩がここで完結します 次の足は自分で後ろから引き上げて来て前に出します。トゥスプリングが浅い靴は、一歩一歩足を置いては引き上げ、置いては引き上げの繰り返しの歩き方になります。岩から岩へ足を運ぶ岩稜帯ではこれは楽になります。但し一般登山道で歩くと一歩一歩がパタパタと完結するので、楽に歩けるとは言い難いです。かなり極端に説明すれば、スキー靴で普通の道を歩く感じです。明らかに歩きにずらいです。
又、一見接地面積が広いのでホールドが良いように思いますが、後ろ足を前に抜く時に、つま先が引っかかるので 必要以上に太ももを引き上げて足を前に引き抜き、運ばないといけなくなります。イコール筋力も使います。見た目の格好良さから選ぶ方が増えていますが、一般縦走登山に向いているかというとそうではありません。
自分の登山指向(どんな山に主に行くのか?)、自分の脚力、筋力、体力でこの靴を長時間履きこなせるのか?を考慮して選んで下さい。
ガイドが履いているから必ず自分にも良いと言う事はありません。例えるならレーシングカーを一般人が運転するような物です。無理して通常登山に使用すると、かなり疲れますのでショップ、ガイドに勧められてもしっかりと自己判断をして撰んでください。
実際この手のハードな岩稜アルパイン靴の持ち込み悩み相談が後を絶ちません。
お客さん曰く、雑誌、店やガイド、登山説明会で勧められて買ったんだけど、足裏・親指・小指が痛い、ふくらはぎがパンパンに張って悲鳴が上がる。膝が痛い!腰が痛い!何とかしてくれ~~!!
特に登山説明会、登山ツアー等に参加の最近の登山経験が少ない方にこの傾向が多く見られます。
正直言いまして本当に可愛そうなぐらいです。
☆よくある選び方の間違い例☆
質問:夏に1.2回程、アルプス登山行きます。普段は近郊の山です。どんな靴が良いですか?
間違いアドバイス:アルプスは岩場があるので岩稜タイプの靴がいいよ!値段は張るが、何でも使えてオススメだ!
ヨシミのアドバイス:私ならこう問います。年1.2回のアルプス登山のために普段の山歩きを我慢するのか?それとも普段の山歩きに重点を置くか?どうされますか?(1足の登山靴で日帰りもアルプスも行く場合)
☆見た目でわかる岩稜アルパイン靴☆
踵にコバが付いています。これはセミワンタッチのアイゼンを装着する時に使います。またソールの形状が、「ターンイン」つまり、つま先が内側にカーブしています。つま先に「クライミングゾーン」と言う文字が刻印されています。
※一例です。コバ無し。ターンイン無し。文字の刻印無しの岩稜アルパイン靴も存在します。
靴のお手入れは必ず!靴の保管は通気のいい所で!
お手入れの注意点
☆登山靴を下ろす前に登山靴に合ったスプレーもしくはクリームをしっかりと添付する。新品を下ろす前はスプレーなら缶一本を使い切る勢いでしっかり噴き付けて下さい。靴のコーティングする事で間違い無く汚れがつきにくくなり、後々の手入れに断然と差が出ます。
☆使用後、帰宅したらまず登山靴を陰干し乾燥させます。ブラッシングをしほこりや汚れを十分に取り去って下さい。汚れをしっかり落とす事が大事です。その後、クリームやスプレーをタップリ噴き付けてください。
☆帰宅したら中敷きを乾かしてください。中敷きを靴から抜いて乾燥させるだけで靴の嫌な臭いが激減します。
保管の注意点
☆靴箱、袋入れ状態の保管は厳禁!!通気性の良い日陰で保管して下さい。高温になる場所や湿気の多い場所は厳禁です。登山靴のソール素材の劣化が急激に進みます。革にもダメージを与えます。車のトランクルームなども良くないです。
別売中敷きは必要か?不必要か?
別売中敷きについて
最近よく聞くのが、靴を買うときに当然の如く別売中敷きを勧めるお店があると言う事です。目的が有って進めるなら納得ですが、中敷きの効果・目的を説明せずに押し売りするのは腹立たしい限りです。元々入っている中敷きは廃棄するような粗悪な物では無く、メーカーがその靴用にシッカリ考えてセットした物で靴に合った物です。まずは元々の中敷きで靴を履き靴が慣れてきた上で不都合を感じるならば、新たに別売中敷きを考えるべきです。
中敷きを勧める店の多くが見落としがちなのが、靴の構造です。それはヒールカップの高さです。これは靴に置いて心臓部に当たる大事な部分で、踵の骨部をどうフィットさせるか、踵をどう守るかが決まってきます。全体重を支えている踵骨の保持は靴の生命線です。元々の中敷きに比べて 別売物は総じて厚みが倍近くあり、それに交換する事により踵の位置が上がりヒールカップから踵が上にずれてしまいます。すると踵のホールド力が落ち踵がルーズになってしまいます。
別売中敷きを入れると、踵巾や大事なトップラインが横に広がってしまいます。結果くるぶし周り、踵ホールドがルーズになります。
ローカットの靴は足首が部分が無い為、特にホールドが浅く、ヒールカップのフィット感が重要なります。ローカット靴に別売中敷きを入れ替えるのは上記のような状態になりがちで、私は全くオススメしません。そもそも靴には、それぞれ深さのヒールカップがあり品番に応じてヒールカップの深さが変わっています。中敷きもその靴用にセットされています。それを無視して何でもかんでも別売中敷きに変えるのは得策ではありません。コレを強く勧める店は何おか言わんや!です
皆さん!よ~く判断して下さい。