冬は登山靴の内側が濡れやすい⁉
登山靴の内側が濡れて困った!と言う経験は誰しも1度はあるかと思います。現在の登山靴は「ゴアテックス」と言う防水透湿に長けたフィルムを靴の内部に貼っています。足から出る汗(水蒸気)は外に出し、外からの雨(水)は内部に浸入しないと言う優れものです。しかし、実際はゴアテックスを使った登山靴でも内側が濡れる現象は起こります。ゴアテックスの損傷以外で濡れる原因の一つが結露です。
結露・・・氷を入れたグラスや冬の窓ガラス、テントの内側に水滴がつく現象です。暖かい空気が冷やされ空気中の水蒸気が飽和水蒸気量を越えた時、余剰の水蒸気が水滴になります。当然、暖かい側に水滴が付きます。これと同じ現象が、登山靴でも起こります。「暖かい側=靴の内側」です。
空気中の含まれる水蒸気の最大量(飽和水蒸気量)は、温度によって決まります。温度が高いほど多く、低くなるに従って少なくなります。つまり寒い時ほど飽和状態になり易く結露が起こります。そして登山靴の内側の水蒸気と言えば「汗」です。靴の内側で水蒸気から水滴に変わってしまうと外には出ないですからねぇ・・・ゴアテックスは水を通さないですから・・・。
気温が低く靴の内側が冷える➜歩くことで発汗する➜汗(水蒸気)が飽和状態を越え水滴になる➞靴の内側が結露する➜濡れ感が起こる
この連鎖により靴の内側が濡れます。この現象は新しい靴でも起こります。冬山・雪山では靴の内側に温度が伝わりにくい、革の厚い登山靴や中綿入りの登山靴がお勧めです。また湿気を吸い易く濡れ感を感じにくいウールのソックスもお勧めです。